不動産売却を検討する際の強い味方である「不動産一括査定」。
さまざまなウェブサイトで利用できるサービスですが、2025年現在ではどの不動産一括査定がおすすめなのでしょうか。
本記事では、おすすめの不動産一括査定をランキング形式で比較しながら紹介するとともに、不動産一括査定のメリット・デメリットや注意点について解説します。
不動産一括査定のおすすめランキング【2025年】
不動産一括査定のおすすめランキングは以下のとおりです。
順位 | 業者名 |
1位 | HOME4U(ホームフォーユー) |
2位 | SUUMO(スーモ) |
3位 | イエウール |
4位 | マンションナビ |
5位 | リビンマッチ |
このランキングは「使いやすさ」「提携不動産会社数」「口コミ評価」「対応の速さ」「個人情報の取扱い」「サポート体制」などを評価し、作成しています。
それぞれの不動産一括査定サイトの特徴やメリット・デメリットを解説しますので、不動産一括査定の利用を検討している人は参考にしてみてください。
第1位:国内最大級の不動産サイト「HOME4U(ホームフォーユー)」
HOME4U(ホームフォーユー)はNTTデータグループが運営し、全国約2,300社以上の提携不動産会社がある国内最大級の不動産ポータルサイトです。
不動産一括査定はマンション・一戸建て・土地など幅広い物件に対応していて、オンラインでの申込みは24時間無料で利用可能です。
HOME4U(ホームフォーユー)の最大の特徴は、徹底的にユーザーの利便性を追求した査定申し込みの仕組みでしょう。物件情報、希望条件、連絡先のみの入力で、面倒な書類提出は不要です。
必要最小限の情報だけ、最短1分の入力で査定依頼が可能となっています。大手不動産会社を中心としながらも、地域密着型の優良企業も提携不動産会社として含まれているのが特徴です。
提携不動産会社は不動産取引の実績が豊富な会社を厳選しており、優良不動産会社との提携を重視しています。これにより、不動産一括査定では信頼性の高い査定結果を得ることができます。
HOME4U(ホームフォーユー)のメリット
HOME4U(ホームフォーユー)の不動産一括査定のメリットは以下のとおりです。
- システムの使いやすさ
- 営業連絡のコントロール
- 情報コンテンツが充実している
HOME4U(ホームフォーユー)はシンプルな入力フォーム、分かりやすいユーザーインターフェースが特徴です。直感的な操作性と入力情報の一時保存機能、エラー時の分かりやすい案内などが利用者にとって分かりやすくなっています。
不動産会社からの営業連絡を制限可能なことも魅力でしょう。希望する連絡方法や時間帯を細かく指定でき、メールでの連絡に限定することも可能なのです。
これにより、不要な営業電話を避けることができ、自分のペースで検討を進められます。
そして、サイト内の不動産売却に関する情報コンテンツの多さも魅力です。物件種別ごとの売却ガイドや手続きの詳細な説明資料、よくある質問への回答集など、売主が必要とする情報を包括的に提供しています。
HOME4U(ホームフォーユー)のデメリット
HOME4U(ホームフォーユー)のデメリットとしては以下が挙げられます。
- 対応範囲の制限
- 提携会社の制限
- サポートの限界
HOME4U(ホームフォーユー)では地方部の提携不動産会社が少ない場合があります。そのため、特殊な物件への対応が難しく、一部エリアでは査定額の精度が低下する可能性があるでしょう。
地方や特殊な物件でHOME4U(ホームフォーユー)の不動産一括査定を利用する場合には、地域によって提携会社数や提案内容に差があることを理解する必要があります。
HOME4U(ホームフォーユー)では候補が多数ある場合でも、システム側で6社に絞り込んで不動産会社を提案します。迷わなくて良いとは言えますが、希望する不動産会社が入っていない場合もあるでしょう。
しかも、選ばれた6社すべての提携会社から査定が出るとは限らないこともデメリットです。サポート面では、基本的な問い合わせ対応が中心となり、専門的なアドバイスは各不動産会社に委ねられます。
また、営業時間外のサポートは限定的であり、チャットサポートなどの即時対応サービスは提供されていません。
HOME4U(ホームフォーユー)に向いている人は?
HOME4U(ホームフォーユー)は使いやすさと情報提供に重点を置いた一括査定サービスなので、初めて不動産売却を検討される人に適しています。
入力手続きがシンプルで必要最小限の情報だけで査定依頼ができる点が、不動産取引に不慣れな人にとって大きな利点です。
また、売却に関する豊富な情報コンテンツが用意されているため、基礎知識から順を追って学べることも初めて不動産売却を検討する人にとって心強いことでしょう。
次に、自分のペースでじっくりと売却を検討したい人にも向いています。営業連絡の方法や時間帯を細かく指定できるため、不要な営業電話に悩まされることなく、落ち着いて検討を進めることができるでしょう。
メールでの連絡に限定することも可能なため、仕事が忙しい人でも無理なく利用できますよ。そして、都市部に住んでいる人もこのサービスの恩恵を受けやすくなっています。
都市部では大手不動産会社を中心に優良な提携企業が多く、充実した査定結果を得られる可能性が高いでしょう。
第2位:リクルートグループが運営する「SUUMO(スーモ)」
SUUMO(スーモ)の特徴は、リクルートグループが運営する国内最大級の不動産ポータルサイトとしての豊富なデータベースと実績があることです。
2,000社以上の提携不動産会社を持ち、長年の不動産情報の蓄積を生かした査定サービスを提供しています。
物件種別ごとの売却ガイドも充実していて、マンション、一戸建て、土地など、物件タイプに特化した売却のポイントや注意点、市場動向などが分かりやすく解説されています。
これらの情報は、査定結果を受け取った後の意思決定にも役立つでしょう。もちろん不動産一括査定のインターフェースも使いやすく、スムーズな査定依頼が可能で
SUUMO(スーモ)のメリット
SUUMO(スーモ)は信頼性の高さが最大のメリットです。リクルートグループという大手企業が運営するサービスであり、長年の不動産情報サイトとしての実績があります。
多くのユーザーや不動産会社から支持されており、安心して利用できる点が特徴です。
提携不動産会社の数が充実していることも大きなメリットで、さまざまな選択肢から最適な不動産会社を最大で10社選ぶことができます。大手不動産会社から地域密着型の企業まで、幅広い不動産会社の中から選択が可能なこともメリットです。
SUUMOは不動産ポータルサイトとして膨大なデータを保有しており、それらを活用した精度の高い査定と、詳細な市場分析情報を提供しています。
また、売却査定と同時に購入物件の情報収集も可能で、住み替えをトータルでサポートする体制が整っているので、売却後の住み替えの際にも利用しやすいでしょう。
企業体力を生かしたサポート体制も充実しており、不動産取引に関するさまざまな疑問や不安に対して、専門的な知識を持ったスタッフが対応してくれますよ。
SUUMO(スーモ)のデメリット
- 選択しが多すぎる
- 営業連絡が多い
- 対応が画一的できめ細かな対応を受けられない
- 電話、対面窓口がなくメールのみ
SUUMO(スーモ)のメリットでもある最大10社の査定依頼はデメリットでもあり、選択肢が多すぎることを負担に感じてしまうこともあるでしょう。比較対象が多すぎるため各社の良し悪しが分かりづらく、かえって時間がかかり混乱を招く可能性があります。
そして、営業連絡の多さも大きなデメリットです。1度に一括査定を申し込める不動産会社数も多いために、査定後に多くの不動産会社から営業連絡が来る可能性があります。
なかには一括査定を申し込んだ直後に数社から電話があったなどの口コミも。電話での営業連絡が集中すると、対応に負担を感じる方も多いでしょう。
対応の画一性も課題です。大手サービスであるため、個別の事情や特殊な条件に対して柔軟な対応が難しい場合もあります。
たとえば、マンション・戸建て・土地の査定には対応しても、収益物件には対応できません。標準的なサービスの範囲を超える要望には対応できないことが多く、きめ細かな対応を求める方には物足りなさを感じるでしょう。
最後に、対面や電話でのコンサルティングが提供されていない点もデメリットのひとつです。電話窓口がなく基本的にはオンラインでのサポートとなるため、直接相談したい方には不向きなサービスといえます。
SUUMO(スーモ)に向いている人は?
SUUMO(スーモ)は大手企業の信頼性を重視する人に最適な不動産一括査定サイトです。リクルートグループという知名度の高い企業が運営するサービスであり、安心感を求める方にとって良い選択肢となります。
初めて不動産売却を検討される人にとって、ブランド力のある企業のサービスは心強い味方となるでしょう。
また、豊富なデータに基づいて慎重に検討したい人にも向いています。SUUMO(スーモ)は不動産ポータルサイトとして多くの情報を保有しており、市場動向や取引事例などデータに基づいた意思決定が可能です。
売却価格の根拠を重視する人や、市場状況をしっかりと把握したい人、さらに買い替えも検討している人にとっても適しているでしょう。
最後に、都市部の一般的な物件をお持ちの人にもおすすめです。マンションや一戸建てなど標準的な物件であれば、多くの提携不動産会社から査定を受けることができ、適切な市場価値の把握が期待できます。
第3位:安心して不動産一括査定ができる「イエウール」
イエウールは東証スタンダード市場に上場している株式会社Speeeが運営している不動産ポータルサイトで、全国2,600社もの不動産会社と提携しています。
不動産会社もただ選ばれているのではなく、実績や顧客対応力などを重視して提携会社を厳選しています。ときには、利用者からクレームの多い不動産会社は排除することも。
そして、大手から地域密着型まで幅広い会社の中から査定を受けられ、多様な視点からの査定結果を比較検討できるので、安心して不動産一括査定を利用できるでしょう。
また、不動産一括査定を依頼する前にAI査定を利用できます。売却価格の目安を素早く、かつ手軽に確認できるために、本格的な査定調査の前の事前調査として活用できるでしょう。
イエウールのメリット
イエウールの不動産一括査定のメリットは以下のとおりです。
- 豊富な提携不動産会社
- 詳細な査定依頼フォーム
- 不動産売却に関する豊富な情報やノウハウの提供
イエウールの不動産一括査定のメリットは先述したとおり、厳選した不動産会社と提携している点で、これは一括査定サイトの中でも最多クラスの数です。
大手から地域密着型まで幅広い会社が登録されているため、売却物件に適した会社を見つけやすいという強みがあります。
イエウールの査定依頼フォームは、リフォーム履歴や住宅設備、周辺環境など、物件の詳細情報を細かく入力できる点が特徴的です。これにより、物件の特徴や売りポイントを具体的に伝えられるため、より正確な査定結果につながることがメリットです。
そして、イエウールのサイトには、不動産売却に関する豊富な情報やノウハウが掲載されていて、一括査定サイトの中でも、売却に特化したコンテンツの充実度は際立っています。
初心者でも売却の流れや注意点を理解しやすい内容となっており、スムーズに売却の準備を進められるでしょう。
イエウールのデメリット
イエウールの不動産一括査定のデメリットは以下のとおりです。
- 提携不動産会社の質にばらつきがある
- 査定依頼後に営業電話が増加しやすい
- サイト情報量が多すぎて使いづらい
イエウールは提携不動産会社も多く、クレームの多い悪徳業者を排除する不動産一括査定サイトですが、その反面、経験や実績に乏しい会社が紛れている可能性があります。
また、会社単位では問題なくとも経験や実績に乏しい担当者にあたることも。その結果、査定結果の精度や、売却活動のサポート体制に差が出てしまうかもしれません。
次に、一括査定を依頼した後に営業電話が増加しやすいことです。イエウールで査定依頼すると、多数の不動産会社から一斉に連絡が来る可能性があります。なかには強引な営業をかけてくる会社もあるかもしれません。
査定のために必要以上の個人情報を聞かれたり、しつこく売却を迫られたりすることもあるでしょう。
このデメリットはイエウールの不動産一括査定に限ったことではありませんが、口コミを見ていくと、イエウールはその傾向が顕著でした。
最後に、イエウールのサイトには不動産売却に関する情報が大量にあるため、かえって必要な情報を見つけづらく感じる人もいるかもしれません。欲しい情報にたどり着くまでに時間がかかってしまう可能性があります。
第4位:マンション一括査定に特化したサイト「マンションナビ」
マンションナビはマンションリサーチ株式会社が運営する、マンション売却に特化した不動産ポータルサイトです。そのため、マンション売却に関するノウハウや情報が豊富で、マンション専門の査定サービスを提供しています。
サービス開始当初は東京23区の分譲マンション相場公開のサービスでしたが、今では全国15万棟の物件情報を取り扱っています。
不動産一括査定についてもマンション売却に特化していて、マンション売却実績の豊富な大手不動産会社と提携しているところもポイントです。
分譲マンションを売却しようと検討している人にとって、マンションナビは検討当初から売却時まで頼りになる不動産ポータルサイトだと言えるでしょう。
マンションナビのメリット
マンションナビの不動産一括査定のメリットは以下のとおりです。
- マンションの売却に特化
- 大手不動産会社から信頼性の高い査定を得られる
- 簡単な情報入力
- 複数の査定結果をマイページで比較できる
マンションナビの不動産一括査定はマンション売却に特化しているサービスなので、専門性の高い査定を受けられます。マンションの価格を適切に評価してもらえる可能性が高いでしょう。
また、マンションナビは大手不動産会社と提携しているため、これらの会社から信頼性の高い査定を受けられます。マンション売買の実績が豊富な会社の評価を得られるのは大きなメリットです。
査定依頼の容易さもポイントです。マンション名や住所などの基本情報を入力するだけで査定依頼ができるので、手軽に利用できます。
詳細な情報は後から伝えられるので、初めての方でも気軽に査定を依頼できるでしょう。
複数の不動産会社から届いた査定結果をマイページで一覧比較できるので、売却先の選択がしやすくなります。査定価格だけでなく、売却プランや対応なども総合的に判断できます。
マンションナビのデメリット
マンションナビの不動産一括査定のデメリットは以下のとおりです。
- マンション以外の査定には対応していない
- 提携不動産会社数が他の一括査定サイトと比べて少ない
- 地域差による対応の差が大きい
- 査定結果の到着に時間がかかる
最も大きなデメリットはマンションに特化したサービスであるため、一戸建てや土地などの査定には対応していない点です。マンション以外の物件をお持ちの方は、別のサービスを利用する必要があります。
次に、マンション専門の売却サイトゆえに、提携不動産会社数が少なく、全国規模の大手不動産会社と提携していますが、地域密着型の不動産会社の情報は少ない傾向にあります。
そして、地域差による対応の差が大きいこともデメリットです。都市部の物件では充実したサービスを受けられますが、地方のマンションの場合、提携不動産会社が極めて限られる、もしくは対応できない地域も出てきてしまいます。
最後に、査定結果の到着に時間がかかる場合があることも欠点の一つです。マンションの詳細情報を重視するため、査定結果が出るまでに他の一括査定サイトより時間を要することがあります。
マンションナビがおすすめな人
マンションの適正な売却価格を知りたい人は、マンションナビにてマンション売買に実績のある大手不動産会社から専門性の高い査定を受けられます。適正な売却価格を知るために役立つサービスだと言えるでしょう。
また、複数の不動産会社の提案を比較検討したい人も、マンションナビなら簡単な情報入力で複数の不動産会社に一括査定を依頼できます。届いた査定結果をマイページで一覧比較できるので、売却先の選択がしやすくなります。
マンション売却の進め方に不安がある人や、どのように進めたら良いか分からない人にとってもマンションナビがおすすめです。
なぜなら、マンション売却のノウハウを持った不動産会社の提案を受けられるので、売却の進め方への不安が軽減されます。また、査定時の各社の対応を比べることで、信頼できる会社を選びやすくなるでしょう。
第5位:幅広い不動産一括査定ができる「リビンマッチ」
リビンマッチは東証マザーズ上場会社の株式会社リビン・テクノロジーズが運営している不動産ポータルサイトで、2006年から運営されています。その他の不動産一括査定サイトと異なる点は、加盟している不動産会社が幅広い点です。
リビンマッチは不動産会社に対する営業支援のコンサルティングや、査定サイトの運用方法のアドバイスに取り組んでいます。
そのため、ノウハウに乏しい地域密着型の中小不動産会社でもリビンマッチを活用でき、さまざまな不動産会社が加盟するようになりました。
また、不動産一括査定では仲介販売の選択肢だけではなく、不動産買取の査定を一括依頼できます。査定依頼後の売却方針の選択肢が豊富なので、そのまま売却をすすめることも、買取に移行する、不動産を活用するなど、いったん立ち止まって熟考できるところも特徴です。
リビンマッチのメリット
リビンマッチの不動産一括査定のメリットは以下のとおりです。
- 登録業者の幅が広く、各社異なった目線で査定してくれる
- 売却の選択肢として仲介業者以外の選択肢も検討できる
リビンマッチも他の不動産一括査定と同様に提携不動産会社数が多く、最大6社に査定依頼できるサイトですが、登録業者の幅が広いのでさまざまな目線で判断した査定をしてくれることがメリットです。
大手不動産会社ばかりでなく、地域密着型の中小企業の提案を受けられることで、より専門的な査定を受けられることにつながります。
また、不動産仲介販売だけではなく、以下の売却方法にも対応しています。
・不動産買取
・任意売却
・リースバック
・土地活用
・賃貸管理
・リノベーション
これだけ多様な対応はリビンマッチ以外の不動産一括査定ではありません。また、戸建て、マンションだけでなく、収益物件なども査定してくれます。
これも多様な不動産会社と提携しているおかげで、多様な物件を、多様な方法で取り扱えることにつながっています。
リビンマッチのデメリット
リビンマッチの不動産一括査定のデメリットは以下のとおりです。
- すべての会社から査定結果を得られないことがある
- 査定結果の価格にばらつきがある
- サイト内の情報量が他のサイトと比べて少ない
リビンマッチの不動産一括査定では、最大6社の会社を選択できますが、すべての会社から査定結果を得られるとは限りません。なぜなら、リビンマッチの不動産一括査定では、基本的に訪問査定のみ行っているからです。
不動産会社によっては繁忙期などで訪問査定に行けないこともあるため、査定自体できないこともあるようです。
次に、査定結果の価格にバラつきがあることもデメリットで、これは多様な不動産会社と提携していることが影響しています。各社の査定に関する考え方が統一されていないためにこのような状態になると考えられます。
最後にリビンマッチのサイトには、不動産売却に関する情報が他の一括査定サイトほど多くありません。売却の流れや注意点などを詳しく知りたい方には物足りなく感じられることもあります。
リビンマッチの不動産一括査定におすすめな人
リビンマッチの不動産一括査定は基本的に訪問査定のみなので、具体的に売却検討をしていて、不動産会社選びに悩んでいる人にとっては有用なサービスです。
訪問査定は精度の高い結果を得られる査定方法なので、机上で得られる情報だけで査定された机上査定より正確な査定結果を求める人に向いています。
また、収益物件の取り扱いもあるために、収益物件のオーナーにとってみても便利なサイトです。収益物件の売却には独特のノウハウが必要とされますが、リビンマッチの提携会社なら専門的な査定が受けられます。
不動産一括査定のメリットとデメリットについて解説
売却したい不動産を一括で査定依頼できるサービスの不動産一括査定ですが、そもそも、どのようなものなのでしょうか。
ここでは不動産一括査定について以下の内容を解説しています。
不動産一括査定とは?仕組みや流れを説明
不動産一括査定を利用するにあたって事前にメリット・デメリットを把握したいものですが、その前に不動産一括査定を利用する場合、どのような流れになり、どのような仕組みで運営されているかご存じでしょうか。
まず、不動産一括査定の流れや仕組みを確認しましょう。
不動産一括査定利用の流れ
不動産一括査定とは、売主が物件情報、氏名や住所、連絡先などの個人情報を入力し、不動産一括査定サイトの運営会社が提携している複数の不動産会社に査定依頼するサービスです。
一般的な不動産一括査定サイトでは、以下の流れで不動産一括査定を利用します。
2.物件の種類、広さ、築年数など物件情報を入力
3.査定方法を選択する
4.連絡先を入力する
5.査定を依頼する不動産会社を選択
流れの1番、2番は空欄への入力やチャット形式での質疑応答など、不動産一括査定サイトによって方法はそれぞれです。必ずしも正確な数字を入力する必要はなく、だいたいの数字でも構いません。
3番の査定方法の選択では「机上査定」と「訪問査定」を選択します。それぞれの査定方法の特徴は以下のとおりです。
机上査定 |
|
訪問査定 |
|
次に4番で連絡先を入力します。電話やメールなど査定結果を受け取るための方法を選びましょう。このとき、連絡の方法や時間帯、物件のアピールポイント、質問などがあれば備考欄などに入力します。
最後に5番の不動産会社を選択すれば、不動産一括査定の申し込み完了です。
査定申し込みできる不動産会社は、査定可能な会社が自動で選出されるため、査定依頼したいと感じた不動産会社を選択しましょう。
不動産会社選びのポイントは、テレビや新聞で目にする知名度の高い大手不動産会社ばかりに依頼するのではなく、地元の不動産会社など幅広く選択することです。
大手不動産会社とは異なった目線での査定結果を得られ、売却の参考になるでしょう。
不動産一括査定利用後の流れ
不動産一括査定を申し込んだあとは、査定依頼した不動産会社からの連絡を待ちます。
机上査定を申し込んだのならば査定結果が提示され、訪問査定を申し込んだのならば不動産会社の訪問日程を調整し、訪問後の査定結果を待ちましょう。
査定結果が揃ったのならば、比較して検討を進めます。その後は、不動産会社を絞り込んで売却依頼しますが、絞り込めなければ一括査定を申し込んだすべての会社に売却依頼することも可能です。
その後、販売活動、売買契約引渡しの流れで不動産売却は進みます。
売却依頼するためには不動産媒介契約という契約を不動産会社と締結しなければなりません。
媒介契約には以下の3種類があります。
一般媒介契約 | 複数の不動産会社に販売活動を依頼できる媒介契約です。売主自ら買い手を探して売買契約することも可能です。 一般媒介契約を締結した不動産会社はレインズに登録する義務はなく、販売業務活動報告の義務もありません。 |
専任媒介契約 | 一社の不動産会社に販売活動を依頼できる媒介契約です。売主自ら買い手を探して売買契約することも可能です。 専任媒介契約を締結した不動産会社は契約後7日以内にレインズに物件情報を登録し、2週間に1回以上の頻度で販売業務活動報告をしなければなりません。 |
専属専任媒介契約 | 一社の不動産会社に販売活動を依頼できる媒介契約です。売主自ら買い手を見つけ出しても、直接、売買契約を締結はできません。 専属専任媒介契約を締結した不動産会社は契約後5日以内にレインズに物件情報を登録し、1週間に1回以上の頻度で販売業務活動報告をしなければなりません。 |
レインズとは不動産会社だけが閲覧できる、不動産物件情報の流通サービスのことです。ここに物件情報が登録されると、全国の不動産会社が物件情報を閲覧でき、不動産会社は買い手に物件を紹介することが可能です。
一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の順番で売主と不動産会社にお互いの制約が強くなります。不動産一括査定で選択した不動産会社を絞りきれなければ一般媒介契約で各社と契約することもできます。
しかしながら、専任媒介契約や専属専任媒介契約の締結を希望する場合は、不動産会社を絞る必要があることも覚えておきましょう。
不動産一括査定の仕組み
不動産一括査定は「売主」が依頼した査定を不動産一括査定サイト「運営者」が代行して、複数の「不動産会社」に査定依頼するシステムです。
売主は無料で利用できますが、不動産会社は運営者に料金を支払って一括査定時の不動産会社一覧に登録します。
そして、不動産会社は査定依頼を受けることで、顧客情報を獲得、のちに売買契約・引渡しまで至れば売主や買主から仲介手数料を受領し利益が発生します。まとめると以下のとおりです。
売主 | 複数の不動産会社に査定依頼できる。 |
運営者 | 売主の代わりに不動産会社に査定依頼する。 不動産会社の代わりに売主を集客する。 |
不動産会社 | 運営者に利用料を支払い不動産一括査定サイトに登録する。 運営者から顧客情報を受け取り査定する。 査定の結果、売却依頼を請け、成約になれば報酬を得られる。 |
売主にしてみれば便利なサービスで、不動産会社からしてみれば集客方法のひとつです。双方を取りまとめるのが不動産一括査定サイトの運営者になります。
このような仕組みで不動産一括査定は運営されています。
便利なだけではない!不動産一括査定のメリットとは
必要な情報を入力するだけで査定依頼できる便利な不動産一括査定ですが、便利なだけではなく多くのメリットがあります。
そんな不動産一括査定のメリットについて解説します。
複数社への不動産査定依頼が容易
不動産一括査定の一番のメリットは複数の不動産会社への査定依頼が容易なことです。
不動産「一括」査定なので当然のことでは?と言われてしまいそうですが、もし、自分自身で複数の不動産会社を選び、査定依頼するとなると大変な労力がかかります。
具体的には以下のことを判断し、不動産会社に依頼しなければなりません。
・売買物件を取り扱う不動産会社を選定する
・売却物件があるエリアの物件を取り扱う不動産会社を選定する
・不動産会社の売却実績・販売物件の取り扱い状況を調べる
・複数の不動産会社にコンタクトし、物件情報を送る
・査定結果を受け取り不動産会社からの説明を受ける
不動産会社を選定するだけでも労力がかかりますが、そのうえで、それぞれの担当者が求める物件情報を送らなければなりません。
仮に机上査定だとしても、建物の外観や室内の写真を求める不動産会社もあれば、登記簿謄本の写しだけで良いという会社もあります。
不動産会社に渡した情報が平等ではないため、査定結果の精度にブレが生じることもあり、比較しづらくなることも。
不動産一括査定ならば、同一の情報をそれぞれの不動産会社に一度に送って査定依頼してくれるので、自分で個別に査定依頼するよりも容易に複数社に査定依頼できます。
もちろん、売却物件を取り扱うことが可能な不動産会社が選定されるので、物件と不動産会社のミスマッチが起きません。
遠方の不動産でも査定可能
遠方の不動産を売却する場合でも、現地にいかないでオンラインで複数の地元不動産会社に査定依頼ができることは、不動産一括査定のメリットのひとつです。
遠方に住んでいる場合、査定や不動産会社選定のために何度も現地に足を運ぶ必要がなく、時間と交通費を節約できます。
また、エリアに精通していて実績のある不動産会社と出会えるので、地域の相場観や市場動向を熟知した不動産会社からアドバイスを得られるでしょう。
不動産会社の比較がしやすい
不動産一括査定では同じ条件で複数の会社から査定額を得られるため、金額の違いを明確に比較できます。
また、各社がどのような根拠で査定額を算出しているかも確認しやすいでしょう。
その他にも以下の内容について比較しやすくなります。
・対応の質の比較
・会社の特長の比較
サービス内容とは、各社の売却時のサポート内容や物件の広告宣伝方法、売却までの想定時間などのことで、各社の個性が現れる部分です。
対応の質とは、査定依頼後の各社の対応スピードや丁寧さ、コミュニケーション方法などを実際に体験でき比較できます。これにより、信頼できる会社を見極めやすくなるでしょう。
会社の特長とは、規模や実績、地域での知名度、得意な物件タイプなどで、不動産一括査定を利用することで分かりやすくなります。
忙しくても24時間依頼可能
不動産一括査定はスマートフォンやパソコンから24時間いつでも申し込みが可能で、必要な基本情報を入力するだけで完了します。およそ5分から10分程度で依頼できるので時間を有効活用できます。
査定結果はメールでも受け取れるため、自分の都合の良い時間に確認できることもメリットです。
昨今ではメールやチャット、オンライン通話でのやり取りも可能な会社が増えています。
不動産一括査定は個別に不動産会社を調べて連絡する手間が省けて、複数社に同時に依頼できるものなので、忙しい人にこそ向いているサービスと言えるでしょう。
忘れてはいけない不動産一括査定のデメリット
不動産一括査定は便利で、利用すれば多くのメリットを享受できますが、一方でデメリットも存在することを忘れてはいけません。
- 選定された不動産会社の基準がわからないこと
- 複数の不動産会社から連絡があること
- 絞り込むことに労力がかかること
不動産一括査定を利用する前にこれらのデメリットについても確認しておきましょう。
不動産会社が選定された基準が分からない
不動産一括査定サイトに掲載される不動産会社の選定基準が明確でない場合が多く、なぜその不動産会社が紹介されるのか、その理由が売主に示されないことがあります。
それにより、以下の問題点が発生する可能性もあるのです。
・実績や経験よりも、一括査定サイトへの支払い能力で選ばれている会社が紹介される
・必ずしも物件タイプや地域に最適な不動産会社が紹介されるとは限らない
これらの対策として、一括査定とは別に地域の評判の良い不動産会社も独自に調べたり、紹介された不動産会社の実績や評判を個別に確認する必要が出てきます。
複数の不動産会社から連絡がある
不動産一括査定を利用することで、複数の不動産会社から電話やメールが来る可能性があります。それは仕事中や休日でも連絡が来ることがあり、断りづらい営業電話が続くことがあるでしょう。
各社からの連絡に個別に対応することや、同じような説明を複数回しなければならないこともあり、時間的な負担がかかります。
また、精神的な負担として強引な営業を行う会社からしつこい連絡が来る可能性や、「すぐに売却を決めてほしい」という圧力をかけられることで、対応に疲れてしまうことも考えられます。
希望する連絡方法と時間帯を事前に指定することや、一括査定申し込み時にメールのみの連絡希望と伝えることで対策できますが、どうしても不動産会社からの連絡が多くなることがデメリットだと言えます。
複数社から絞り込むために労力がかかる
不動産一括査定を申し込んだ後、実際に売却活動に移行するならば、不動産会社を絞り込む必要がでてきて労力がかかることもデメリットのひとつです。
不動産会社を絞り込むためには、査定額や条件を比較、各社の提案内容を詳細に検討、各社の売却方針や価格設定の考え方について理解する必要があります。そのうえで、不動産会社に断りの連絡をいれるので、労力がかかるのです。
不動産会社を効率的に絞り込むためには、最初に自分が重視する条件を明確にしておきましょう。
たとえば、売却スピードや売却価格、不動産会社のサポート体制のどれを重視するかで不動産会社の選び方も変わってきます。
そして、最初の査定が揃った段階で明らかに条件の合わない会社を除外し、残った会社の中から、特に気になる2〜3社に絞って詳細な面談をしましょう。面談時に必要な質問事項をあらかじめリストアップしておくこともおすすめです。
不動産一括査定利用上の注意点を解説
不動産一括査定を利用する際のメリット・デメリットを確認すると、どうしても気軽に利用するのは難しく感じてしまいます。
実際、不動産売却するための第一歩と考えるならば決して気軽なものではありませんが、考え方や注意点を踏まえて利用することで、上手に活用できるようになるでしょう。
ここでは不動産一括査定を利用する際の考え方、査定の種類、注意点について解説します。
不動産一括査定を利用する際の考え方
不動産一括査定を利用する際の考え方として以下のように考えてみましょう。
・途中でキャンセルしても構いません
・査定価格が納得できなければ断れます
・違約金などが発生することはありません
以上を意識することで「不動産売却の第一歩を踏み出している」という硬い考え方から、「自分の物件価格を手軽に調べられる便利なサービス」と考えを改められます。
具体的にはどのようなことなのか、解説するので確認してみてください。
そもそも不動産を売却しなくても良い
不動産一括査定を利用しても不動産を売却する義務は一切なく、不動産会社から無理な売却を強要されることはありません。
そもそも、不動産一括査定は情報収集が目的でもよく、将来の売却に向けた市場価値の確認のみでも問題ないものです。
不動産一括査定は実際の売却判断の参考資料として活用でき、売却のタイミングを見極めるための情報として使えます。売却目的でない場合は、不動産会社に対して以下の方法で対応しても問題ありません。
・売却を急かす営業には、はっきりと意思表示をする
・必要に応じて「また検討する時期が来たら連絡する」と伝える
そして、将来の売却に向けた情報として査定結果は市場動向を知る参考資料として保管し、適正価格の目安として役立てましょう。
途中でキャンセルもできる
不動産一括査定は途中キャンセルも可能で、いつでも中止できます。
キャンセルするならば、節目になる以下のタイミングで連絡すると良いでしょう。
・不動産会社との連絡が始まった後
・現地査定の予約後
・査定結果を受け取った後
メールや電話で伝えればキャンセルできますが、運営会社、もしくは各不動産会社への連絡が必要で、タイミングによって連絡先が異なるので注意が必要です。
キャンセル時には、はっきりと意思表示をすることが重要で、理由を詳しく説明する必要はありません。各不動産会社に個別に連絡が必要なこともありますが、丁寧に断ることで将来の再依頼もスムーズになります。
しかしながら、キャンセル可能の無料のサービスとはいえども、不動産会社からすると費用や労力がかかるものです。できるだけ丁寧に断ってわだかまりが残らないようにしたいですね。
査定価格に納得できなければ断っても良い
不動産一括査定では売主の権利として、査定額や売却条件に納得できない場合は断ることができ、不動産会社の対応や提案に不安を感じた場合も断っても大丈夫です。
断る際の理由の一例としては、以下のものが挙げられます。
・売却価格の根拠説明が不十分
・販売戦略に具体性がない
・担当者の説明や対応に不安がある
・より良い条件を提示する他社がある
しかしながら、具体的な理由を伝えて断る必要はありません。「査定結果を検討した結果、今回は見送らせていただく」という旨が伝われば十分でしょう。
もちろん、今後の検討の可能性を残したい場合は、その旨を伝えることもできます。
そして、断った後でも不動産売却の検討を続けるのであれば、他の不動産一括査定で再度依頼する、時期を改めて査定を依頼する、地域の他の不動産会社に個別の相談をするなどの選択肢があることを覚えておきましょう。
違約金など費用が発生することはない
不動産一括査定は無料の情報提供サービスなので、申し込んでからキャンセルしたとしても違約金は発生しません。
サービスの利用にあたって売却を前提とした契約書を交わしていませんし、売却の意思表示をしていないため、法的な拘束もないのです。査定はあくまで不動産会社からの提案に過ぎず、相見積もりの一環として認められている行為です。
しかしながら、不動産一括査定を利用し売却の話を進めて、売買契約を締結した後のキャンセルは意味合いが変わります。
また、不動産会社との媒介契約を締結した後のキャンセルも、契約内容によって手続きが必要な場合があります。
不動産一括査定の種類も知っておこう
不動産一括査定を申し込みする際にも選択する査定の種類ですが、机上査定、訪問査定以外にもAI査定というものもあります。
査定の目的や物件の状況によっては不動産一括査定を申し込みしなくても、AI査定で済むことも。査定の種類や特徴を知り、自分や物件に適した査定方法を選択しましょう。
AI査定
AI査定とは、AIが不動産データベースを分析して物件価値を算出する自動査定システムです。過去の取引データ、地域情報、物件特性などのビッグデータを基に、機械学習アルゴリズムを使って価格を予測します。
メリットは数秒から数分で結果を得られるスピードの速さ、24時間利用可能なこと、無料もしくは低コスト、近隣に知られることがないのでプライバシーの保護されている、客観的な査定数値がでること、などです。
一方で、査定精度には限界があり、特殊な物件や希少な物件は正確に評価できないこと、物件の状態考慮が不十分なので、内装や住宅設備の状態、リフォーム状況などは反映されにくいことがデメリットです。
データが少ない地域では査定精度が下がることにも注意が必要です。不動産売却検討の初期段階の人や、営業活動を受けずに自分のペースで検討したい人、忙しい人にとっては向いている査定方法です。
ただし、最終的な売却価格決定の際にはAI査定と併せて不動産会社による訪問査定を受けることをお勧めします。特に特殊な立地条件や設備がある物件、高額物件の場合は、プロの目による評価が重要です。
机上査定
机上査定とは不動産会社が実際に物件を訪問せず、公的データや取引事例などの情報を分析して行う査定方法で、物件情報や住所を基に机上で査定価格を算出します。査定依頼からおおよそ1週間程度、早ければ2〜3日で査定結果を得られます。
メリットは物件の状態に状態に関わらず、いつでも査定依頼が可能なこと、不動産会社の担当者が訪問しないので、近隣に知られることなく査定が可能なことです。
同時に複数の不動産会社から査定を受けやすいので、複数社比較が容易なこともメリットだと言えるでしょう。
デメリットは、実際の物件状態を確認していないため、正確性に欠ける場合があることです。リフォーム状況や設備の状況、日当たり、眺望などが考慮されず、実際の生活環境や周辺状況が反映されにくい査定方法だと言えます。
机上査定に向いている人は、まだ売却を確定していないけれども、おおよその相場を知りたい人や片付けや掃除を済ませる前に相場を知りたい人などでしょう。また、近隣や同居人に知られずに査定を受けたい人が依頼することも多いようです。
机上査定もAI査定と同様に情報収集に適した査定方法ですが、訪問査定を受けると価格が変わることがあります。売却を決断する際には訪問査定を受けるようにしましょう。
訪問査定
訪問査定とは不動産会社の担当者が実際に物件を訪問し、目視確認しながら行う査定方法です。物件の内外装状態、間取り、日当たり、眺望、周辺環境などを直接確認した上で価格を算出します。
訪問のスケジュール調整が必要なため、査定結果を得られるまでは依頼してから2週間程度かかります。
訪問査定は、実物を見たうえでの評価なので精度が高く、リフォーム状況、設備状態、日当たり、騒音環境などを正確に評価するため、個別要素も反映されることがメリットです。
その場で専門家としてのアドバイスや、質疑応答してもらえるので疑問点を解消できることもメリットだと言えます。
訪問査定のデメリットは、査定日時に立ち会う必要がある時間的拘束や、物件の片付けや掃除など事前準備が必要なことです。また、物件に不動産会社の人間が訪れるため、同居人や近所に知られる可能性があります。
訪問査定に向いている人は、具体的に売却を検討していて正確な査定額を知りたい方です。物件に希少価値があったり、特殊な設備が付帯している、リフォーム済みの物件などを所有している人にも向いています。
また、築年数が古い、管理されていない空き家など状態が悪い建物でも正確な価値を知れるので、そのような物件を所有している人にも向いているでしょう。
訪問査定は手間や時間のかかる査定方法ですが、売却を本格的に検討しているならば、非常に役立ちます。特に「この物件ならではの価値」を正確に評価してもらいたい場合や、実際の市場価値を基に売却計画を立てたい場合に適しています。
不動産一括査定の注意点
最後に不動産一括査定を利用するうえでの注意点について解説します。
すべての不動産会社が掲載されているわけではない
不動産一括査定サイトで紹介される不動産会社はすべての不動産会社ではありません。
それには以下の理由が挙げられます。
1.提携会社のみが対象
- 一括査定サイトと提携契約を結んでいる不動産会社のみが紹介されます。
- 全国に約10万社ある不動産会社のうち、大手サイトでも数千社程度の提携にとどまります。
2.費用負担
- 多くの一括査定サイトは不動産会社から広告料や成約報酬を受け取る仕組みです。
- 料金を支払える余裕のある会社に限定される傾向があります。
3.エリアの偏り
- 都市部は多くの会社が登録していますが、地方では登録会社が少ないことがあります。
- 特に過疎地域では提携会社がごく限られる場合もあります。
これらの注意点に対する対処法としては、複数の不動産一括査定の利用や、個別に地域密着型の不動産会社を探すこと、大手と地域密着型の不動産会社をバランスよく活用することです。
一括査定は便利なツールですが、すべての選択肢を網羅しているわけではないことを理解した上で利用することが大切です。
地域や物件特性によっては、一括査定外の会社も検討範囲に入れることをおすすめします。
査定額=売却価格ではない!
不動産一括査定で提示される査定額は、実際の売却価格とは異なります。
そもそも、査定額の性質は市場分析に基づく「売出価格の目安」で、過去の取引事例や市場動向をもとに算出された予測値に過ぎません。そのため、最終的な売却価格を保証するものではないのです。
実際の売却価格を決める要因は、買主との交渉や物件の実際の状態、市場環境の変化などもあるでしょう。
また、販売期間が長引いたり、周辺に競合物件があることで売却価格にも影響があります。多くの場合、査定額と売却価格は異なり、実際の査定額より低くなる傾向があることを覚えておきましょう。
査定額から現実的な売却価格を見るためには、複数の不動産一括査定を利用することや、査定の根拠を確認すること、売却期間を想定することがポイントです。
また、値引き交渉の余地を見込むことで、想定価格と現実的な売却価格との差が少なくなるでしょう。
不動産一括査定は匿名では利用不可
不動産一括査定は基本的に匿名での利用ができません。
不動産一括査定サービスでは、最低限以下の情報が必要になるからです。
- 物件情報(住所、物件種別、面積など)
- 連絡先情報(氏名、電話番号、メールアドレスなど)
これらの情報がなければ不動産会社は査定できないため、完全匿名での利用はできません。ただし、仮名を使用することや、弁護士や親族など代理人を通じて依頼する方法もあります。
この場合、最終的な売買契約時には本名が必要で、代理人に依頼するときには委任状が必要なので、いずれにしても本名や個人情報が必要になってしまいます。
プライバシーを重視する場合の代替手段として、AI査定を利用したり、不動産会社に直接相談をもちかけ、情報拡散を防ぐ方法があります。
しかしながら、AI査定には精度の問題があり、不動産会社への直接相談では、複数社への比較が容易という不動産一括査定ならではのメリットが受けられません。
そして、不動産鑑定士に依頼する方法もあります。不動産鑑定士には守秘義務があるために第三者への情報提供はありませんが、有料の依頼になります。
不動産取引はその性質上、ある程度の個人情報開示が必要になります。特にプライバシーを重視される場合は、情報の取扱いポリシーが明確なサービスを選ぶことをおすすめします。
不動産査定対象外エリアもある
不動産一括査定では査定対象外となるエリアが存在し、以下のものは査定対象外の地域の一例です
・取引事例や提携不動産会社が少ないエリア
・アクセスが困難な土地
・離島
・農地法の規制がある地域
・都市計画外の地域
・特別な開発規制がある地域
・災害危険地域
査定対象外となる理由としては、不動産会社側の要因と取引上の要因が挙げられます。不動産会社側の要因としては、営業エリア外、取引実績がない地域、担当者の派遣が困難であることが理由です。
取引上の要因としては、適正価格の算出が困難、買い手が見つかりづらい、取引リスクが高いことが挙げられます。
このような物件では地元の不動産会社に直接相談する、地域に精通した不動産鑑定士に相談する、自治体の相談窓口を利用するなどの方法で査定を進めると良いでしょう。
不動産一括査定おすすめランキングのまとめ
不動産一括査定は、売却予定の不動産物件の情報を一度に複数の不動産会社に提供し、それぞれの会社から査定価格や売却プランを提案してもらうサービスです。
売主は、物件の所在地や種類、広さ、築年数などの情報を不動産一括査定サイトに入力し、査定方法と連絡先を登録します。その情報を基に、サイトの運営会社が提携している複数の不動産会社に一括で査定依頼をします。
そして、不動産一括査定の主なメリットは以下のとおりとなっています。
- 複数の不動産会社への査定依頼が容易
- 遠方の不動産でも査定可能
- 不動産会社の比較がしやすい
- 24時間いつでも依頼可能
一方、デメリットは以下のとおりです。
- 不動産会社の選定基準が分からない
- 複数の不動産会社から連絡がくる
- 絞り込むのに労力がかかる
不動産一括査定の利用上の注意点としては以下のとおりです。
- すべての不動産会社が掲載されているわけではない
- 査定額が売却価格と一致するとは限らない
- 匿名での利用はできない
- 査定対象外のエリアが存在する
不動産一括査定は便利なサービスですが、メリット・デメリットや注意点を理解した上で利用することが大切です。