年金がどんどん目減りされて、老後の暮らしに不安を覚える人は少なくありません。そこで不動産投資に目を向ける人が増えています。一般的に投資をする際には、金融機関からお金を借りることになりますが、借りたお金には金利というものがかかってきますよね。実は金利と言っても、たくさんの種類があり、一つの指標とされているのが短期プライムレートです。
企業向け短期貸出金利
プライムレートとは、業績や財務状況がいい最優良の企業に銀行がお金を貸し出す際の最優遇貸出金利を指していて、そのうち1年以内の短期貸出金利を、短期プライムレートと呼んでいます。1989年以降は、市中金利に連動する形で金利が算定されていて、メガバンクや有力地銀のレートがひとつの基準となって短期プライムレートを決定しているのです。
一般の人には関係ないのでは?
そもそも短期プライムレートは、銀行が最優良企業に貸し出す際に使用される金利です。つまり、不動産投資を考える一般投資家にとっては、関係ないのではないかと考える人は多いでしょう。しかしそうではないのです。住宅ローンの変動金利は、この短期プライムレートを元に定められていて、変動金利型の住宅ローンでは、短期プライムレートにプラス1%の金利上乗せしているのが現状となります。実際にはコストや利鞘を上乗せして金利を決定している金融機関も多く、短期プライムレートは個々の金融機関ごとに異なっているのです。
つまり不動産投資を考えるときは、金融機関が発表している短期プライムレートを見て、どの金融機関から借り入れをするのか決める必要があります。また市中金利というのは日々変動しています。ここで注意する点は、短期プライムレート型の借り入れをして不動産投資をした場合、金利が上がってしまうことで毎月の返済額が上がり、不動産投資のキャッシュフローが悪くなってしまう可能性があるということです。老後の安定のために投資をしたはずが、毎月の返済が負担となってしまうというケースも考えられるため、金利の選択は十分に考えて決定する必要があるのです。
不動産ガイド:小林 茂美
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