2020.04.16お金に関する話 , 不動産売買 , 住宅ローンの話

新型コロナの影響で住宅ローン難民にならないために

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新型コロナウイルス感染症対策として把握しておくべき生活支援制度とは?

新型コロナウイルスの感染拡大で、政府が「緊急事態宣言」を発令し多くの企業が休業を余儀なくされ、従って労働者の収入は減り生活にも深刻なダメージを受けています。それを少しでも緩和するために、政府から様々な経済対策や生活支援策が打ち出されました。住まいに関する支援策では、生活困窮者自立支援制度の中に「住居確保給付金」を給付する制度があり、4月20日より支給対象者が拡大され施行することが決定、また4月7日に国土交通省から、住宅ローン控除の適応概要について弾力化するとの通達がありました。ではどのように変わったのか説明していきます。

住宅

休業・休職に該当する労働者にも適応されることになった「住居確保給付金」

平成27年度に施行された生活困窮者自立支援制度の中に、「一時生活支援事業」と「住居確保給付金」があります。この2つは住まいに関する支援制度で、「一時生活支援事業」は、ネットカフェやホームレス等の一定の住居を持たない人に一時的に宿泊場所と衣食を提供します。「住居確保給付金」は、離職または廃業して2年以内かつ65歳未満で住居を失った人、もしくは失うおそれがある人が就職活動を行う事を条件に、一定期間の家賃給付を行います。他にも仕事を失う前から世帯主として生計を立てていたことや、類似した他の給付を受けていないか等の条件があります。 これらの制度は休業や休職といった雇用を継続している労働者には適応されませんでしたが、コロナウイルスの影響で休業・休職が増加し、労働者からの家賃の支払いに関する相談も増え、これを緩和するために「住居確保給付金」の支給対象者の拡大が決定し、4月20日から支援策が施行されます。支給対象者は元の対象者を含め、当人には責任のない事情で、休職・休業せざるを得なくなり、本来得るはずだった収入が減少して、離職・廃業には至ってはいないけど、同程度の状況にある人も支給の対象になりました。 この制度は正規雇用者だけではなく非正規雇用者も対象になるので、アルバイトやフリーランスで働いている人も該当します。この制度が施行される前に市役所の窓口に、支払相談にいっても支援を受けられなかった人は、もう一度訪れてみてはいかがでしょうか。

住宅ローン

住宅ローン控除の適応概要や、住宅ローンの返済の重要性について

新型コロナウイルス感染の影響は製造業にも大きな打撃を与え、建築に必要な建材や設備部品が日本に配給されず、新築の一戸建ての未完成のまま引き渡されたり、入居が遅れるなどの問題が発生しています。それによって、多くの住宅購入者が活用している減税制度「住宅ローン控除」の要件に満たさなくなるといった問題も浮上してきました。 住宅ローン控除はローンの返済期間が10年以上あることを条件に、控除率1%が税額控除になります。そして2019年10月からの消費税引き上げにより10%が適応された住宅を購入した場合は、2020年12月末までに入居することを条件として、控除期間が3年延長され、計13年間の控除が受けられる特例措置が設けられました。しかし、コロナウイルスの影響で入居が遅れると、この控除が受けられないという事態が発生するので、4月7日に国土交通省から特例措置として入居期間を2021年12月末まで延長するとの通達がありました。 この特例措置の対象になるには、注文住宅の新築の場合は令和2年9月末まで契約、分譲住宅や既存住宅を購入またリフォームする場合、令和2年11月末まで契約する必要があります。また中古住宅を購入した場合、消費税の課税はありませんが住宅ローン控除の対象になり、その中古住宅をリフォーム工事をした場合、コロナウイルスの影響でリフォーム工事が遅れ、住宅を購入した日から6ヵ月以内に入居できなかったとしても、中古住宅の取得日から5ヵ月後まで、または関連税制法案の施行日から2ヵ月後までに、リフォーム工事の契約が行われていれば、入居期限がリフォーム工事完了後の6ヵ月以内となる特例措置の対象になります。尚、これらの税制措置は、これに関する法案が国会で成立することが前提となります。 また、収入の減少で住宅ローンの返済が厳しくなって延滞してしまう人もいるかもしれませんが、延滞だけはなるべく避けましょう。ローン契約書の記述には「延滞が発生した場合、金利優遇の対象外になる」とあり、延滞が続くとこの優遇金利が適応されなくなり、金利が上がり返済額が増えることになります。最終的には住宅が競売にかけられる事態に陥り、ローンの支払いだけ残るローン難民となってしまうこともあります。もし支払いに困窮してしまったら、自分が利用している金融機関に支払相談をしましょう。返済期限の延長によって返済額が減少できるなどの救済策の適用を受けられる可能性があります。

生活に困窮したら、まずは生活困窮者自立支援相談窓口へ

大阪市:https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000303608.html

新型コロナウイルスは経済や生活に大きな影響を与えましたが、それに伴う支援対策も行われています。住まいに関する支援策として「住居確保給付金」や「一時生活支援事業」の他に、「住宅セーフティネット制度」などもあります。何事にも落ち着いて正しい情報を収集し、上手く支援制度を活用することが大切です。自分にとってどのような支援が必要なのか分からない場合は、各自治体の生活困窮者自立支援相談窓口に相談しにいきましょう。

 

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