2018.07.23お部屋探し豆知識 , お金に関する話 , 契約に関する話 , 引越し , 賃貸マンション

敷金・礼金0円物件のメリット・デメリット

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電卓と通帳

賃貸物件を探していると敷金・礼金が0円!ってよく目にします。

一般的に敷金・礼金は家賃の1~3ヶ月分掛かることが多いのに、

敷金礼金0円となると、「初期費用が抑えられてお得!」と思う反面、

「そうでもしないと入居が難しい物件なのでは、、、」と

不安になる方も多いと思います。

 

敷金・礼金って何?

・敷金

賃料・補修費用を担保する目的のもので、基本的には退去時に戻ってくる費用です。

ただし賃貸では部屋を退去するときに原状回復させることが決められています。

そのためのハウスクリーニング代や入居者が故意、過失で壊した箇所の

修繕費用として敷金が当てられます。

 

・礼金

言葉の通り、部屋を貸してもらったお礼として払う費用です。

日本以外ではあまり見られない文化で、アメリカやヨーロッパでは敷金に近いものはあっても、

礼金のように用途があいまいな費用はないようです。

 

 

敷金・礼金を0円にする理由

物件によって金額の差はありますが、入居時に敷金・礼金を支払う物件がほとんどです。

一般的に敷金・礼金は家賃の1~3ヶ月掛かる場合が多いです。

空室を早く埋めるための対策として、敷金・礼金を0円にしている物件があります。

それは悪いことではありませんし、入居者からすれば敷金・礼金がない分、

初期費用を抑えられるので助かります。

物件の敷金・礼金を0円にする理由としては、

 

  • エリア的に需要が少なかったり、駅から遠いなどで空室期間が長かったり、多く空室がある場合
  • 家賃が近隣相場より、少し高めで設定されており、その代りに敷金・礼金を0円にしている場合
  • 特に難点は無いが、入居スピードを上げる為のキャンペーン企画

 

など理由は様々あります。

しかし、中には総合的にみるとお得とは言えないケースもあります。

そうしたデメリットを見落とさないように、敷金・礼金0円の物件を選ぶ時の注意点をまとめました。

 

 

1.他の費用が掛かる場合がある

敷金・礼金が0円でも、本来なら家主が負担すべき費用などを借主が負担しなければならなかったり、

ルームクリーニング代が必要であったり、他の費用がかかる場合があります。

敷金・礼金は0円ですが、それ以外の諸費用が高く、結局はあまり変わらない費用を払う事があります。

※費用的にはあまり変わらないので、お部屋が気に入ったならご検討して頂いて良いと思います。

 

2.退去時に費用が多く掛かる場合がある

通常、日常生活で生じた壁の傷や汚れにかかる修繕費やクリーニング代は家主負担になりますが、

中には借主が退去時に修繕費・クリーニング代を全額負担しなければならないケースがあります。

入居時は敷金・礼金0円で安くても、退去時の費用が多くなると

結局敷金・礼金を払うのと変わらない場合や、

時には敷金・礼金よりも高くつくことも考えられます。

 

3.短期退去で違約金が発生する場合がある

1年未満の短期で退去すると、家賃の数カ月分支払わなければならないなど、

退去時に違約金が発生することがあります。

1年以上住む予定なら心配ありませんが、短期で引っ越す可能性があるなら

短期解約による違約金に要注意です。

違約金については契約書に書かれていますので、必ず確認しておきましょう。

 

4.家賃が相場より高い

敷金・礼金を0円にする代わりに、家賃を相場より高めに設定している場合があります。

相場よりも10,000円高かったとしたら、

同じ条件の物件を比べると年間120,000円も多く家賃を払うことになります。

5,000円の差の場合でも年間60,000円多く家賃を払うことになります。

相場は変動しますし、明確な相場は分かりにくいものですが、

この物件の条件でこの家賃は高いなと感じた場合は、

敷金・礼金0円と比較してどちらが得かよく調べてから契約しましょう。

 

5.住環境が悪い

人気がない物件の空き室を埋めるために、敷金・礼金を0円にしている場合があります。

駅から遠い、線路や幹線道路に近く騒音レベルが高い、建物が老朽化している、

エレベーターがなく高層階も階段で登らなければならない、街灯が少なく夜道が暗い、

といった住環境の悪さが敷金・礼金0円の理由として考えられます。

実際に物件をみて環境などが気にならない方はお得に住めます。

 

 

条件がいい敷金・礼金0円物件もある

全ての敷金・礼金ゼロ物件が上記のケースに当てはまるわけではなく、

中には住環境の条件が良く、かつ敷金・礼金0円のお得な物件もあります。

本来、礼金は入居時に家主にお礼代わりに支払うもので、必ずしも必要というわけではありません。

引っ越しシーズン後にキャンセルが出て、急に空き部屋が出た場合、

次の引っ越しシーズンまで空き室にしておくよりも、

敷金・礼金を安くしたりゼロにしたりして早く入居してもらいたいと考える家主さんもいます。

特に初期費用を抑えたい方には敷金・礼金0円の物件はかなり魅力的です。

敷金・礼金0円の物件を選ぶ際のポイントもまとめてみました。

 

1.契約内容をよく確認する

原状回復費用の負担区分や違約金の事項、敷金・礼金以外にかかる費用など、

契約内容をよく確認してから契約しましょう。

備考欄に小さく書かれていることもありますので、

細かい部分まで契約書を読み、不安な点は漏れなく聞いておきましょう。

 

2.入居時に室内をチェックしておく

あまりないとは思いますが、入居時に最初からあった汚れや傷まで

修繕費に含まれてしまってはいやなので、

証拠として残しておくために入居時に室内の写真を撮っておくなど

事前に対策をしておきましょう。

 

3.敷金・礼金0円の理由を聞く

なぜ敷金・礼金が0円なのか、不動産会社に聞いてみましょう。

住環境の悪さや人気のなさが事情ではなく、急なキャンセルによる空き室などを理由に

敷金・礼金0円にしている物件なら条件が良い可能性が高いです。

 

 

 

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まとめ

 

敷金・礼金0円の物件は良し悪しで、いい物件もあれば総合的にみてお得とは言えない物件もあります。

物件の良し悪しの感じ方は個人差がありますので、敷金・礼金0円という条件だけで判断せず、

実際に物件をみた上で、家賃相場、住環境、別途費用の有無、退去時の原状回復費用の負担区分など、

他の条件もふまえて良い条件なのかを判断しましょう。

良い条件の敷金・礼金ゼロ物件なら初期費用を抑えることができ、

お得にお引越しができます。

 

 

 

 

 

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宮島 孝治

宮島 孝治

2006年より不動産業界に携わり、2007年にレオンワークスへ入社、2009年に宅地建物取引士免許を取得、賃貸仲介・管理・仲介の実務経験を活かし、マンション選びからお金の話まで分かりやすく解説します。

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