2016.04.12お金に関する話 , 生活全般

寄附金控除の所得控除と税額控除の違いについて

Pocket

淀川河川敷

寄附金控除を受けるときの税額控除と所得控除の違いは、計算方法に違いがあります。

税額控除の場合は税額を計算したのち税金から直接差し引きをする。
所得控除の場合は税額を計算している途中で差し引きをする。

寄附金控除額を計算上どの部分で差し引きするかによって所得税額が変わってきます。平成23年7月に税制の改正があり、改正前は寄附金控除を受ける場合は所得控除での差し引きのみでした。改正後、税額控除を選択出来るようになったため、寄附をおこなった側がより多くの控除を受ける選択が可能になりました。

所得税の速算表

課税される所得金額が195万円以下の場合、税率は5%控除額は0円です
課税される所得金額が195万円を超え 330万円以下の場合、税率は5%、控除額は0円です
課税される所得金額が330万円を超え 695万円以下の場合、税率は10%、控除額は97,500円です
課税される所得金額が695万円を超え 900万円以下の場合、税率は23%、控除額は636,000円です
課税される所得金額が900万円を超え 1,800万円以下の場合、税率は33%控除額は1,536,000円です
課税される所得金額が1,800万円を超え4.000万円以下の場合、税率は40%控除額は2,796,000円です
課税される所得金額が4,000万円超えの場合、税率は45%控除額は4,796,000円です
1

寄附金控除の所得控除を選択した場合

『年間の寄附金額ー2,000円=寄附金控除額』の式にあてはめて、5万円を寄付した場合、
50,000円-2,000円=48,000円
収入金額3,000,000円-(基礎控除額380,000円+寄附金控除額48,000円)=2,572,000円
つまり、課税対象となる所得金額は2,572,000円となります。
所得税率は課税される所得金額によって定められており、(こちらは最後にご紹介します。)
今回の場合は159,700円なので、実際に納税が必要な金額は、
59,700円-税額控除額0円=159,700円となります。

寄附金控除の税額控除を選択した場合

同じように、まず寄附金控除額を計算します。
『(年間の寄附金額-2,000円)×40%=税額控除額』の式にあてはめて、
(50,000円-2,000円)×40%=19,200円
収入金額3,000,000円-基礎控除額380,000円=2,620,000円
つまり課税対象となる所得金額は2,620,000円となります。
所得税率の計算をすると、今回の場合は164,500円なので、実際に納税が必要な金額は、
164,500円-税額控除額19,200円=145,300円となります。
この選択は、どんな場合でも出来るというわけではありません。
税額控除を選択するためにはどの団体へ寄付をしたのかが重要で、下記の団体への寄付であれば税額控除の選択が出来ると定められています。
「政治活動に関する寄附金のうち政党若しくは政治資金団体に対する寄附金、認定NPO法人等若しくは公益社団法人等に対する寄附金又は震災関連寄附金のうち特定震災指定寄附金」

まとめ

実際に計算をしてみてご理解いただけるように、税額控除を選択した場合のほうが納税額が少なく、より多くの控除を受けられたと言えます。
では、なぜこの選択制がとられるようになったのか気になる、という方も多いのではないでしょうか。

高額所得者の場合、所得控除を選択した方が、より多くの控除を受けられる場合があります。
年収1千万円以上の場合は、どちらのほうが納税額が少なくなるのか確認する必要がありますが、そうでない方は、ほぼ税額控除を選択したほうが良いといえます。

今回のポイントは、下記の2点。
税額控除は寄附金控除額をそのまま差し引くことが出来る。
高額所得者でない場合、税額控除を受けた方がお得な場合が多い。

b534d1f3eebdcb6ef3147c2fcdf070ac_m

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
The following two tabs change content below.
中村 奈々

中村 奈々

神戸の不動産会社に入社したのは2006年1月、2007年7月に株式会社レオンワークスに入社し、賃貸仲介業に携わっております。賃貸に精通したガイドが、安心快適な部屋選びに役立つ情報をお届けします!

このエントリーにコメントする

必須項目は全て入力してください。

Please Login to Comment.

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)