賃貸経営をしている方にとって、入居者の孤独死は大きな懸念材料のひとつです。
そのため、日本は高齢化社会でありながら、高齢者の入居を躊躇するオーナーも少なくありません。
今回は、賃貸経営における孤独死のリスクや、残置物の処理に関する「モデル契約条項」とはなにか、その受任者についてもご説明します。
関西の投資マンションコラム
賃貸物件における孤独死のリスク
高齢者の人口は年々増えており、2020年に総務省統計局が発表した資料によると、総人口の28.7%が65歳以上の高齢者となっています。
高齢者の一人暮らしも増えており、それにともなって孤独死の発生件数も増えつつあります。
もし賃貸物件で借主が孤独死した場合には、賃貸借契約は借主の相続人に引き継がれる点に注意が必要です。
そのため、借主が残した残置物を、賃貸物件のオーナーが勝手に処分することはできません。
オーナーは、相続人と連絡をとって、賃貸借契約の解除や残置物を処分しなければなりません。
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孤独死発生時の残置物に関するモデル契約条項とは?
賃貸物件で孤独死が起きた場合、残置物を撤去するためには相続人に協力してもらわなくてはなりません。
しかし、相続人が見つからない、相続人が相続放棄したなど、手続きがうまく進まないケースが多いのが現状です。
そのため、孤独死が起こった際の契約解除や残置物の処分を円滑におこなえるよう、国交省は2021年6月に「モデル契約条項」を発表しました。
モデル契約条項とは、借主の死亡に備えて、事前に賃貸借契約の解除や残置物の取り扱いについて、第三者である受任者へ委任するというものです。
この条項により、オーナーは残置物を処分する際に訴訟などを心配することなく、物件を整理できるようになりました。
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孤独死発生時の残置物に関するモデル契約条項の受任者について
モデル契約条項の受任者は、借主の相続人が望ましいとされていますが、いない場合は社会福祉法人や保証会社、管理会社がなることも可能です。
孤独死が起きた際には、受任者は借主の代わりに賃貸借契約を解除することができます。
また、借主の残置物の処理手続きもおこなえるため、死亡後速やかに部屋をかたずけることが可能です。
賃貸借契約を結ぶ際には、借主は自分が死亡した際に手続きがスムーズにおこなえるよう、廃棄する家財・しない家財とその送り先を記載しておくと良いです。
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まとめ
孤独死が起こると、残置物を勝手に処理できないのはオーナーにとって大きな負担となります。
そのリスクを避け、高齢者が賃貸物件を借りやすくするため、受任者を決めておく「モデル契約条項」が定められました。
モデル契約条項を活用して、借主・オーナーともに安心できる契約を結びましょう。
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不動産ガイド:小林 茂美
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