2018.07.13お部屋探し豆知識 , 賃貸マンション

賃貸物件の構造について

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「鉄筋(RC)造」「鉄骨鉄筋(SRC)造」「鉄骨(S)造」「木造」など

インターネットや不動産の資料などの構造欄でよく見かけます。

これらは、建物の素材をもとに構造を表したものです。

しかし、いまいち違いがよくわからない、という方も多いと思います。

そこで、建物の構造についてまとめてみました。

 

鉄筋(RC)造 (Reinforced Concrete)

「Reinforced Concrete」とは、日本語で「鉄筋コンクリート」という意味です。

柱や梁(はり)など強度が必要な部分に、鉄筋でできた枠型にコンクリートを流し込んで建てられているものです。

鉄筋は引っ張る力に強く、コンクリートは圧縮に強いというお互いの特徴を組み合わせて、より強い構造を作っています。

それぞれの特徴を活かして強度を高めている組み合わせですが、

素材自体が重いので高層ではなく中低層の建築物で多く利用されています。

木造やS造と比べると、コンクリートを流し込む工数が増えるためコストが高くなります。

防火性・耐震性・遮音性を重視したい方や、ファミリーなどにはRC造がオススメです。

 

鉄骨鉄筋(SRC)造 (Steel Reinforced Concrete)

「Steel Reinforced Concrete」とは、日本語で「鉄骨鉄筋コンクリート」という意味です。

基本的にはRC造と似たような構造ですが、RC造と違って鉄骨を支柱としているというところが特徴です。

これにより、RC造の耐久性に加え鉄骨(S)の特徴である、粘り強いしなやかさを兼ね備えた構造で

その性能の高さから高層の建築物に向いています。

ただ、すべての階層にコンクリートを流し込むと建物全体がかなり重くなってしまうので、

5階よりも上の上層階にはコンクリートを流し込まないことがあります。

RC造と同様に防火性・耐震性・遮音性を重視したいのに加え、

高層階ならではの眺望がほしい、といった方にオススメです。

 

鉄骨(S)造 (Steel)

「Steel」とは、日本語で「鉄骨」という意味です。

RC造やSRC造よりも軽量で、鉄骨自体の粘り強いしなやかさが特徴的です。

RC造やSRC造のようにコンクリートを使わないので、建物全体の軽量化ができ、

超高層や体育館などの広大な建築物などに適しています。

しかし、しなやかなので、RC造やSRC造と比べて揺れが大きくなるというデメリットもあります。

鋼材の厚みが6mm以上のものは「重量鉄骨構造」、6mm未満のものは「軽量鉄骨構造」に分類されます。

鉄骨(S)造は、ある程度の耐震性は欲しいけど、なるべく家賃等の費用は抑えたいという方にオススメです。

 

木造

木造は、主に一戸建てや3階程度までの低層の建築物の柱や梁などに木材を使用した構造です。

木材が豊富な日本では、古くからこの木造が建物構造のスタンダードとなっていたことから

住宅だけではなく、神社仏閣など歴史的な建築物でも用いられています。

木造は、他の素材と比べて建築にかかるコストが低くく、加工性が非常に高いことからリフォームがしやすく、

材料が軽量のため奥まった土地や狭小地、変形した敷地などでも使いやすい、といった特徴があります。

できるだけ費用を抑えて住みたい、通気性の高い物件がいい、という方にオススメです。

 

 

防音 防火 耐震 コスト
RC造
SRC造
S造
木造

 

ここでのコストは建物を建築する際の「建築コスト」のことです。

建築コストがかかるとそれだけ家賃も高くなることもありますが、一概にそうとは言えません。

 

 

防音に関しては、コンクリートを用いているRC造とSRC造(コンクリートが流し込んである低層階)が優位です。

音は周波数によって人の感じ方に個人差があり、高い音はすぐに消えるのに対して、低い音は残響感があり不愉快に感じることがありますが、

コンクリートはこの高い音と低い音の両方に対して有効です。

しかし、音が伝わる主な仕組みには、空気の振動で伝わる「空気伝播音」の他に、壁や床の振動で伝わる「固体伝播音」もあるので、

コンクリートだからといって完全に音をシャットアウトするわけではありません。

ドアの音や足音などが伝わりやすいのも、この振動で伝わる固体伝播音が影響しています。

防火に関しても、RC造とSRC造の低層階が不燃材料のコンクリートを使用しているため、非常に優位です。

SRC造の高層階やS造に使われる鉄骨も火に強そうなイメージですが、1000℃以上に達するような火災の場合などは融けてしまいます。

これを補うために、一般的には鉄骨は耐火被覆で覆われます。

耐震についても、優位なのはRC造とSRC造の低層階です。

一方でSRC造の高層階やS造は、材料自体が軽いために地震や風の影響で揺れやすいという特性があります。

なので近年では、地震の揺れを吸収する免震構造の高層建築物も増えています。

こうして比較してみると、一番建築コストがかかるのがSRC造、次にRC造、S造、木造となります。

しかしこれらは、あくまでも目安のひとつなので、問い合わせや内覧などでしっかりとチェックしてみてください。

 

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構造で比較する冷暖房の効率

建物の構造によっては、冷暖房の効率にも差は出てきます。

RC造やSRC造に使用されているコンクリートは温まりにくくて冷めにくく、S造や木造は温まりやすく冷めやすい、といった特徴があります。

例えば、家にいる時間が長く、冷暖房を使う時間が長い方はRC造やSRC造がオススメです。

家にいない時間が多く、仕事から帰宅して数時間で寝てしまうような方はS造や木造がオススメです。

 

 

このように様々な面が建物の構造によって違いがでてきます。

こだわりやライフスタイルを照らし合わせて、ご自身に合う物件を探してみてください。

 

 

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